これは臨床分子栄養医学研究会の宮澤賢史先生のお話の要約です。
アルツハイマー型認知症(以下、アルツハイマー)というと。
認知機能の低下と人格の変化を症状とする認知症の一種であり、脳の萎縮を伴います。
アルツハイマーは脳の変性が徐々に進行するため、症状も徐々に進行するというのが特徴です。
最終的には寝たきりになって、死に至るということです。
症状経過の途中で、被害妄想や幻覚、暴力、徘徊などを伴うケースが多く、患者本人だけではなく、周囲の人のメンタルにも大きな影響を及ぼすことも問題になっています。
このアルツハイマーの原因は、アミロイドβの蓄積が原因とされてきました。
ところが最近では、真の原因が
1、炎症
2、栄養の欠乏
3、毒物
これらにあることがわかってきたのです。
脳がこれらの脅威に晒されると、そこから身を守るためにアミロイドβを増やすということがわかったのです。
まずは1の炎症について。
アルツハイマー発症を防ぐために最も気をつけるべきことは、実は腸の炎症を抑えること。
腸に炎症を起こすものは主に病原菌、砂糖、グルテン、カゼイン、トランス脂肪酸といったリーキーガットを誘発する食材です。
また、内臓脂肪にも注意が必要です。
脂肪細胞は、サイズが小さいときには、アディポネクチンやレプチンといった痩せる物質が分泌されますが、サイズが大きくなると炎症性物質であるTNFαが分泌されるのです。
これは、インスリン抵抗性を惹起する物質でもあります。
インスリンを排泄する物質とアミロイドβを排泄する物質が同じなので、その結果として脳にアミロイドβの蓄積が促進されてしまうということ。
他にも、口腔や喉、胃、肝臓の炎症も関連するそうです。
次回は「栄養の欠乏」「毒物」についても書いていきます。