ある栄養療法の先生のお話が面白くて、少し前につい買ってしまった本。
「脳は栄養の影響を受けやすい」という観点から、過去30年以上にわたりADHD、自閉症、うつ、不安、双極性障害、統合失調症などの患者さんのために、個体差を考慮した栄養治療法を開発されてきたのがウイリアム・ウォルシュ博士。
実際にうつ病の代表的なクスリSSRI (選択的セロトニン再取り込み阻害薬)でも、
・セロトニンを増やすことで治るのは全体の38%
・セロトニンを入れるとかえって悪化が20%
…など、SSRI の合う合わないにも個体差があることがわかっている。
博士はどの精神疾患も背景には銅過剰、ビタミンB6不足、葉酸アンバランス、亜鉛不足、活性酸素負荷…などの要因があるとする。
たとえば妄想性統合失調症は高メチル化、葉酸不足、血中銅レベル上昇を、
また反社会性パーソナリティ障害ではたいていは亜鉛不足、酸化過剰、低メチル化、有害金属の上昇が組み合わさっている…など。
また世界一自閉症スペクトラムの子どもの化学データを持つウォルシュ博士によると、自閉症の95%が低メチル化が見られるとも。
このように栄養のインバランスは明確な症状と特徴を伴うとし、うつ病を以下のようなバイオタイプに分けて治療を行っている。
◾️高メチル(20%)
非競争的、芸術音楽への興味、化学物質や食物への感受性高さ、多くの友達、不安になりやすい、睡眠障害など。
セロトニン、ドーパミン上昇
◾️低メチル(38%)
完璧主義の履歴、高い業績、ゲームやスポーツにおける競争、儀式的な行動、脅迫神経症傾向、季節性アレルギー、慢性的うつなど。
セロトニン、ドーパミン減少
◾️ピロール障害
◾️銅過剰
◾️亜鉛不足
◾️有害金属過剰
なるほど。
これまで治療が合わず、なかなか精神疾患が良くならない人や、薬に頼りたくないというような人は、このウォルシュ博士の栄養治療法も一つの選択肢として有りなのかなと思った。
ところで、
私はうつ病とは昔から無縁なのだけれど、自分のタイプをある方法でわり出してみたところ…やはり高メチル傾向に。
ドーパミンは適度に高めなのもわかっている。
過剰ではないから、不足感もあまりない。
親はとても競争心が強い人だったのに、私が昔から競争心がなさすぎるのは、どうやらそんな理由もあるのかも。